大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和25(あ)2408 決定

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人岡村玄治の上告趣意第一点について。

しかし、物価統制令違反の犯罪成立後価格指定の告示が将来に向つて廃止されて

も刑罰を廃止するものでないこと当裁判所屡次の判例であるから、所論は刑訴四〇

五条の上告理由に当らないし、また同四一一条五号を適用すべきものとも認められ

ない。

同第二点について。しかし、原判決は単に第一審判決が被告人を罰金一万円に処

した量刑は重きに過ぎるものとして、これを破棄したのであつて、所論のごとく労

役場留置の換算率を考慮に容れたものでないこと明らかである。されば、所論は原

判示に副わない事実を前提として法令違反を主張するものであつて、刑訴四〇五条

に当らないのは勿論同四一一条一号にも該当しない。

同第三点について。

所論は、原判決の理由不備を主張するものと解されるから、刑訴四〇五条に定め

る上告適法の理由ではない。そして、物価庁の告示が業者の統制額を定めた場合に

は業者でない者でも業者と同一の取引をするときは業者に対する統制額が適用され

るものであるから統制額違反事件においては必ずしも業者であるか否かを確定判示

しなくとも差支えないものである。従つて、本件においては同四一一条一号を適用

すべきものとも思われない。

よつて、同四一四条、三八六条一項三号、一八一条に従い主文のとおり決定する。

この決定は、本件の場合に破棄免訴とすべきとする真野裁判官の反対意見(判例

集四巻一〇号一九八三頁以下参照)を除く外裁判官全員一致の意見によるものであ

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る。

昭和二六年八月九日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 沢 田 竹 治 郎

裁判官 真 野 毅

裁判官 岩 松 三 郎

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